「約束の森」スペシャルコンテンツ
~ アニメ制作の舞台裏 ~

予告編 (30秒)

ロケハン

アニメーションの企画にあたって、2022年の9月上旬に、不思議な森の舞台のモデルとなった八ヶ岳の森とヤマネ、アニマルパスウェイの取材を行いました。

原画

原画は、キャラクターのデザイン、背景、そして作品全体のスタイルなど、物語の世界観を築くための重要なステップです。

これらが作品の基盤となり、独自の世界観を形作ります。

瞬く間に過ぎ去ってしまう一枚の絵にも、制作者の工夫が込められています。

そうやって仕上がった細やかな描写が、みなさんの心に残る印象を残せればと願います。

絵コンテ公開!

絵コンテは、アニメーションの全体の流れが分かる、とても大切な設計図です。

登場人物のセリフや動き、レイアウトなど、それぞれのシーンの画面構成を絵と文字で表しています。

キャラクター設定

こちらは登場人物たちの初期のキャラクターデザインです。

最初のデザインでは、ヤマネの耳がまだヤマネらしい形になっていませんでした。

ヤマネの耳は独自の特徴があります。

ヤマネの耳はネズミのように飛び出しているのではなく、頭に埋もれているように見えることが特徴です。

背景美術

背景美術は、アニメ―ションの舞台となる風景や、森や海といった自然、街並みなどを描きます。

登場人物の活躍するアニメ―ションの世界観を形作り、作品全体を支える非常に重要なパートです。

ビデオコンテ

絵コンテに動きがつきました!

ビデオコンテは、絵コンテからのカットを動画にすることで、完成形のイメージを分かりやすく伝える手法です。

ここでは、クラウドファンディングの支援者さま向けに、プロジェクトの初期段階で、アニメーションの完成イメージがわかるような動画を準備しました。

ヤマネ「らしさ」とは!

ヤマネたちは、アニメーション向けに意図的にデザインされていますが、そこにヤマネ「らしさ」をどう描くかのチャレンジが続きます。

みなさんはヤマネのひげが、なぜ細くて長いかご存じですか?

ヤマネは夜行性で、樹の上で暮らす、人の手のひらサイズの小さな動物です。長いひげはセンサーの様に、周囲の状況を感じ取るので、だからヤマネは暗闇でもすいすい走る事が出来るんですよ!

自然界の野生の動物の動きを観察することは、なかなか難しいですが、専門家のアドバイスのもと、クリエイターは微妙な表現を試行錯誤しています。

ヤマネの逆さ走り!
NG連発!

アニメーターは、ヤマネらしい動きを目指して何度も挑戦します。

とても難しい動きです。

走り方がヤマネらしくないと専門家からは厳しい指摘が入ったシーンです。

ここでは何度もリテイクを行いました。

アフレコの現場から

アフレコとは、完成したアニメの映像に合わせて、キャラクターのセリフや音声を収録する作業のことです。

新井里美さんや中川亜紀子さんをはじめとした、経験豊かな声優陣、音響のプロフェッショナルと、石川監督によるアフレコ収録の様子をご覧ください。

声優さんたちの優れた演技と音響のクルーの巧みな技術が作品に命を吹き込みます!

メッセージ

こだわった点

今作は、以前制作された原作の漫画があり、それをもとにアニメを作ってほしいという依頼でした。

原作漫画はアニマルパスウェイを広く知ってもらうために誰でも分かりやすく読めるように工夫されてるものでしたので、アニメにおいてもその良さが出るように心がけました。

あと、今はたくさんのコンテンツがあり映像を視聴するのも忙しい時代なので、短い尺の中でもよりメッセージが伝わるようにテンポよく物語が進んでいくように作りました。

アニメ作りへの想い

今回のようなアニメ作りは時間と絵と音を使って物語を表現することで、メッセージを伝えたい方とアニメを見てくれる方の間に立って通訳をするような仕事だと思ってます。

制作開始の頃に、山梨県北杜市でのアニマルパスウェイやニホンヤマネの取材をしていく中で、アニマルパスウェイと野生生物の会の方たちの思いも同時に取材させていただくことができました。

その思いをエンターテインメントに乗せることで、より多くの人に楽しんでいただきながら伝わればいいなと思っています。

アニメを見てくれた方へのメッセージ

見ていただきありがとうございます。

ユヅキとネルの冒険、意外と頼りなさそうなマツジイと神秘的なセイナ。

ふとした時に彼らのことを思い出すことで、分断された森やアニマルパスウェイについて考えるきっかけになればうれしいです。

動物をアニメーションで表現するに当たって、どの程度デフォルメするかについてはとても悩みましたが、
今回は幅広い年代層の方に見てもらうことを想定して、
セリフを喋るメインのキャラクター達は感情移入しやすいようコミカルに、
ヤマネたちを襲う自然の動物たちはその恐ろしさを強調するため写実的に描くという点を意識して描きました。

アニマルパスウェイ普及の活動においては様々な分野の方たちが協力して執り行っていますが、
アニメーションという側面から今回の活動に参加できたことをとても光栄に思います。

現在、日本のアニメーション作品においてヤマネをメインに取り扱った作品はとても少ないのでこの機会に是非見ていただければと思います。

アニメ作りへの想い

制作の話を伺ったときに、恥ずかしながら「アニマルパスウェイってどこかで聞いたな」程度の認識でした。

美術設定、作品の経緯など把握するために色々調べ、ストリートビューを眺めて、ようやく思い出しました。

僕は以前、実物を見たことがありました。

もともと実家が愛知県で、その存在を知ったのは友人と名古屋に出かけた時です。

まさかこんなかたちで、アニマルパスウェイに関わるとは思ってもみませんでした。

きっと僕のように、聞いたことがある、実は見たことがあるけど記憶の片隅にある、という方は案外多いかもしれません。

このアニメの些細なシーンが印象に残り、何かのきっかけで、アニマルパスウェイや動物、関わる人たちを思い出していただけたらと想い制作に関わりました。

今回、制作に関わることができて、とても嬉しく誇りに思います。

アニメを見てくれた方へ

わずかな時間ですが、最後まで観ていただきありがとうございました。

きっとあなたのような方がいるからこそ、救われる命があるのだと思っています。

制作の内側にいると、とても愛のある方々がアニマルパスウェイに関わっていることがすごく伝わってきました。

一人一人できることは限られるかもしれませんが、
アニメを通じてアニマルパスウェイの認知・ロードキル問題を考えるきっかけに繋がれば、幸いです。

音楽制作にあたりこだわっている点

普段から制作する・携わらせて頂く作品すべての楽曲において、先ず楽譜作成ソフトで以て総譜(フルスコア)を起こし、それを元にDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)ソフトで音に起こすという、非常に面倒且つ手間暇のかかる手法を採っています。

この手法を用いますと、副産物として楽譜が出来上がります。

楽譜は作品そのものには直接的な使い道はありませんしクライアントからも作成及び納品を求められておりませんが、作成した楽譜があることで後に具体的に楽曲のどの部分を手直しするという、非常に細かい部分までのビジョンの可視化と共有がクライアントと出来るので重宝しています。

音を重ねるときは、(作る曲にも因りますが)音要素のひとつひとつをパイ生地一枚一枚のようになるべく薄くするよう、音色の選択を心掛けています。

アニメを見てくれた方へのメッセージ

はじめまして、このたび音楽を担当させていただきました森田でございます。

今回の作品では、音楽は環境音楽(アンビエント・ミュージック)に近い役割でありながら場面を引き立てる、メインディッシュにアクセントを添えるスパイスのような役割を果たす劇伴として拵えました。

曲は大変薄味な造りでして、ひとたびお聞きいただくだけでは流し素麺のようにあっさり流れていってしまいます。

是非繰り返しご覧いただいて、アニメも曲も楽しんでいただけましたら身に余る光栄でございます。

ここまで関わってくださった方々、クラウドファンディングでご協力してくださった方々のおかげでアニメーションが実現できました。

漫画になり映像化になりどちらの時もとても待ち遠しく、皆さんの思いがかたちとなり、その中に少しでも参加でき、私にとっても貴重な経験となり本当に嬉しいです。

アニメーションを通して野生生物や環境問題を知るきっかけになり、APWの世界中への普及にも役立てばと思います。

今回のアニメを通して、ヤマネや森のいきものたちが、
ふだん暮らしている「ハート」を感じていただければ幸いです。

「ヤマネといきものを守ることは、森を守り、みんなを守り、未来も守る」

アニマルパスウェイは、
森の動物たちだけの架け橋ではありません。

自然と人もつなげてくれる架け橋です。

たくさんの人に優しい気持ちで、森の生き物たちのことを考えていただけたらと思います。

このアニメが見られることで、
ユズキのような心がたくさん増えることを願って。

製作情報

「約束の森 ~ヤマネ物語~ 」

原作:大竹一美(ApWA)、清水アイ(漫画家)「いのちをつなぐふしぎな森の大冒険」

監督:石川直哉

作画監督:兎村銀

美術監督:藤城勇介

作画・美術:大木奈翁、tetsu、かわとら、宙色画房、伊藤奈々子

アニメーション制作:自治体アニメ株式会社

声の出演:
ユヅキ 新井里美、
ネ ル 中川亜希子、
マツジイ・ユヅキ(大人) 佐東充、セイナ・女の子 夏代めぐみ、男の子・女性スタッフ 梅田朱里

キャスティング:株式会社コトリボイス

音楽:森田俊輔

タイトルデザイン:うりも

いきもの監修:湊秋作・饗場葉留果(一般社団法人ヤマネ・いきもの研究所)

プロデューサー:吉田三恵子(ApWA)

製作:一般社団法人アニマルパスウェイと野生生物の会

推薦:北杜市、北杜市教育委員会

助成:公益信託経団連自然保護基金、公益信託大成建設自然歴史環境基金

支援:クラウドファンディングにおける240名のご支援者の皆様

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