2022年2月20日 アニマルパスウェイ情報交換会開催

毎年5~6回開催しておりますアニマルパスウェイ関連の情報交換会
を2月20日ネット開催しました。北海道から宮崎までの会員の皆さんに
参加いただき、下記のテーマでお話しいただきました。
1)園田 陽一理事:富士山周辺のロードキル要因解析の論文化、昨年海外の2つの学会
(ICOETおよびAsia Transportation Ecology forum)における発表状況について
シカからリスまでのロードキルデータを道路構造や森林種などの要因項目について
GLM(general linear model)で解析、まだ方法が確立されていない動物種による
道路影響の大きな要因を導き出す手法を検討、ある程度の成果を得られている。
昨年9月ネット開催されたICOET(International Conference on  Ecology & Trnsportation)
においては動物のための大型のオーバーパスの事例紹介が多かったとのこと、日本では
数例しかなく、この面では大きく遅れている。また12月に開催されたAsia Transportation
Ecology Forumでは日本の動物横断施設の現状を紹介した。中国主催であり、技術的
には日本だが、発信力は中国に及ばない。我が国の海外発信が重要。


2)湊 秋作会長:スバルラインへの提言とその後の状況および紀伊半島でのヤマネ調査、
アニマルパスウェイの提案状況など
現在、霊長類学会誌に日本の取り組みを紹介する論文を執筆し、20日最終稿を提出。
三重県の高速ではヤマネトンネルやアニマルパスウェイを9年に及び実施、最近では
「三重の和」と名付けたアニマルパスウェイを設置し、設置3ケ月後にヤマネが利用し
てくれた。
他地域ではなかなか動かない道路管理者に働き掛けを続けるとともに、今後国立公園内
などへのアニマルパスウェイ設置や協力いただける学会・団体などに働きかけ、
様々な提案をしていきたい。


3)2022年度の活動計画について
2022年度は当会創設10周年になりますので、記念となる企画を次年度計画に
盛り込み実施していきます。
森の多様性と道路について描くヤマネの冒険ファンタジーアニメなどの企画を
検討中。皆様のご協力ご支援をお願いいたします。