エピソード1 プロローグ
アニマルパスウェイ開発ストーリーをお届けします
ここは八ヶ岳の南麓に位置する月見里県星見里市(山梨県北杜市)です。私たちが今回お話しするのは、有料道路の開発に関する話です。まずは1998年に建設された「ヤマネブリッジ」から始めましょう。この橋は、アニマルパスウェイ開発のきっかけとなりました。
エピソード2 ヤマネといきもののトンネル
アニマルパスウェイの開発のお話に入る前に、、、ヤマネブリッジ建設の前年に、県の道路公社の方と話し合って建設されたのが「ヤマネといきもののトンネル」です。
エピソード3 「アニマルパスウェイ研究会」の設立
ヤマネブリッジの建設には約2000万円かかりました。
自治体が管理する道路ではなかなか普及しなかったので、経団連自然保護協議会の懇談会で、NGOと大手建設業者が境界を越えて話し合う機会が設けられました。このとき、ヤマネ研究者(湊会長)から、大手建設業の地球環境問題の担当者に、新しい樹上性動物の歩道橋開発の要請がありました。
この要請に応えたS社とT社によって、「アニマルパスウェイ研究会」(Animal-pathway:造語)の誕生につながりました。これは2004年のことでした。
※BYOND THE BORDER : 企業とNGOのパートナーシップで築く地球環境の未来 / 日本経団連自然保護基金,日本経団連自然保護協議会15周年記念号編集委員会 編
エピソード4 アニマルパスウェイ研究会での様々な検討
アニマルパスウェイ研究会では、アニマルパスウェイの形状や構造、モニタリングの仕組みなどについて議論しました。
そこで決まったのが、既存道路でも建設しやすく、廉価で丈夫な構造で、雪やつららに考慮した材質、天敵への対策などを備えたアニマルパスウェイです。このアニマルパスウェイは、一辺25cmのトラス構造を採用しています。
エピソード5 「アニマルパスウェイ」の室内実験
研究会で議論を重ね、次に取り組むべき課題として、アニマルパスウェイの実用化に向けた実験が挙げられました。そこで、多様な樹上性の野生動物が利用できるよう、人工的な材料の太さや種類、設置場所などを試行錯誤しながら徹底的に検討しました。また、ローコストでメンテナンスがかからない構造を模索するため、室内での実験を行いました。
ケージ内で夜行性野生動物を観察
ケージの中で人工的な材料を野生動物が嫌うかどうか、どの太さの材料を好んで利用するかなどを調べるために、徹夜で観察を行いました。これは夜行性動物も含め、野生動物が実際に利用する様子を確認するために必要な作業でした。また、実物模型を作成し、ケージ内で野生動物が人工材料をどのように利用するかを観察しました。これによって、最適な構造や材料の選定に役立てることができました。
◆ケージ実験写真:模型アニマルパスウェイ開発ものがたり②に続く