アニマルパスウェイとは

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アニマルパスウェイ(ApW)とは?

森と命を繋ぐ架け橋プロジェクト「アニマルパスウェイ(ApW)」とは2004年に、経団連自然保護協議会のNGO/NPOと、企業の懇談会で出会った(財)キープ協会やまねミュージアム館長と、ゼネコン2社で創設した「アニマルパスウェイ研究会」が作った造語です。Animal(動物)+Pathway(通り道)を連結しています。文字通り動物の通り道ですが、狭義では樹上性動物のための通り道を意味しています。

当会では分断された森林をつなぐ、樹上性の野生生物の道「アニマルパスウェイ」 の設置および普及と、森林の生物多様性、保全活動の支援を行っています。

アニマルパスウェイ(ApW)の普及、設置、
野生生物の保全活動に、ご協力ください。

アニマルパスウエイ(ApW)の事例と地図

当法人では次の事例のようなアニマルパスウェイの設置についての普及やアドバイスを行って参ります。

ApW名称 場所(設置主体) 設置年月日 写真 利用動物
実証用 清里(財)キープ協会敷地内(設置:アニマルパスェイ研究会) 2005.10.1 清里(財)キープ協会敷地内(設置:アニマルパスェイ研究会)|アニマルパスウエイの事例と地図 リス、ヤマネ リス、ヤマネ
山梨県北杜市 1号機 北杜市市道上
(設置:北杜市)
2007.7.23 山梨県北杜市 1号機 |アニマルパスウエイの事例と地図 リス、ヤマネ、ヒメネズミ、テン リス、ヤマネ、ヒメネズミ、テン
山梨県北杜市2号機 八ヶ岳横断道路(県道)上
(設置:北杜市
2010.3.23 山梨県北杜市2号機|アニマルパスウエイの事例と地図 ヤマネ、ヒメネズミ、テン ヤマネ、ヒメネズミ、テン
県道290号那須甲子線上
(設置:環境省関東地方事務所)
2011.10.22 栃木県那須郡那須町平成の森|アニマルパスウエイの事例と地図 ヤマネ,モモンガ ヤマネ,モモンガ
名古屋市守山区 市道志段味~ 水野線 2013.3.末 名古屋市守山区|アニマルパスウエイの事例と地図 ニホンリス、ムササビ ニホンリス、ムササビ
毎日わたしたちが使っている道
わたしたちにはたいへん便利なのですが
困っている生き物たちがいることも知ってください。

アニマルパスウェイ(ApW)・ヤマネブリッジ位置図

アニマルパスウェイの概略の設置場所はこちらです。

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森林の生物多様性

日本国内の総道路延長は約127万km、鉄道の総路線長は約2.7万kmです。日本の国土に占める森林面積率は68%といわれています。すなわち多くの連続する構造物が森林を分断しています。

森林は生物多様性の豊かな生態系です。

森には、例えば国の天然記念物で準絶滅危惧種のニホンヤマネや、地域によっては既に絶滅した可能性の高い個体群に分類されるニホンリスなどの枝から枝を通り道にして棲息する樹上性の小動物がいます。わたくしたちが利用する道路などはその通り道を分断しています。時には道路を横断しようとする生き物たちを轢いてしますこと(ロードキル)も起こります。

一般社団法人「アニマルパスウェイと野生生物の会」は主にこのような樹上動物の保全とそのための方策としてのアニマルパスウェイの普及を目指しています。

樹上性野生動物とその現状

樹上性野生動物とは?

森林に棲む野生生物の中で、特に樹上で生活している小動物を樹上性動物(哺乳類)と云います。アニマルパスウェイの対象動物は下表のような動物です。またアニマルパスウェイを様々な昆虫や鳥類も利用しています。

写真 名前(学名)
Wikipediaにリンク
 大きさ・特徴 環境省 RDB 都道府県RD 
ニホンヤマネ ニホンヤマネ
(Glirulus japonicus
ネズミ目ヤマネ科ヤマネ属
  • 冬眠期間5-7ケ月
  • 夜行性
  • 体長6.8-8.4cm
  • 尾長4.4-5.4cm
  • 体重14-23gr
国の天然記念物 41の自治体でRDに記載
ニホンリス ニホンリス
Sciurus lis
ネズミ目リス科リス属
  • 昼行性
  • 体長16-22cm
  • 尾長13-17cm
  • 体重 300gr
絶滅のおそれのある地域個体群(中国地方、九州地方) 19の自治体でRDに記載
ヒメネズミ ヒメネズミ
(Apodemus argenteus
ネズミ目ネズミ科アカネズミ属
  • 夜行性
  • 体長6.5-10cm
  • 尾長7.0-11cm
  • 体重10-20g
IUCN RL:LC 4の自治体でRDに記載
 ニホンモモンガ ニホンモモンガ
Pteromys momonga
ネズミ目リス科モモンガ亜科モモンガ属
  • 夜行性
  • 滑空飛翔
  • 体長14-20c
  • 尾長10-14cm
  • 体重150-220g
35の自治体でRDに記載
ムササビ ムササビ
(Petaurista leucogenys)
ネズミ目リス科モモンガ亜科モモンガ属
  • 夜行性
  • 滑空飛翔
  • 体長27-49cm
  • 尾長28-41cm
  • 体重700-1500g
23の自治体でRDに記載
ケナガネズミ
ケナガネズミ
(Diplothrix legata
ネズミ目ネズミ科ケナガネズミ属
  • 夜行性
  • 体長22-33cm
  • 尾長24-37.2cm
  • 体重400-680g
IUCN RL:EN
ホンテドン
ホンドテン
(Martes melampus melampus)
ネコ目イタチ科イタチ亜科テン属
  • 夜行性
  • 体長40-55cm
  • 尾長15-20cm
  • 体重1.0-1.5kg
6の自治体でRDに記載

※樹上性の動物には他にエゾリス、ニホンザルなどがいます。

アニマルパスウェイを利用する動物たちのモニタリング調査をしています。
調査員として参加してくださる方は、こちら(あなたも調査員)をご覧ください。

ロードキル

道路を便利に私たちは利用していますが、もともとある動物の通り道(けものみち)をあちこちで分断しています。地方や都会の道路でも多くの生き物たちが、交通事故にあって轢死(車などにひかれて死んでしまうこと)したり、傷を負っています。現在、データが公開されているNEXCO三社のロードキルの件数は年間4万件余り、しかし、NEXCO三社の管理する道路は全国の道路総延長の1%にもあたりません。如何に多くの生き物が、私たちの交通社会の犠牲になっているか想像もつきません。エゾシカなどの大型動物などでは人の死亡事故も発生しています。
道路を利用している企業や市民の皆さんに気に掛けていただきたいと思います。

ニホンリスのロードキル ロードキル
子ダヌキのロードキル ロードキル
エゾライチョウのロードキル ロードキル

遺伝子の多様性損失

同じ種でも異なる遺伝子をもつことにより、形や模様、生態などに多様な個性をもち、優性な子孫を受け継でいきます。しかし、森林が分断され孤立すると、枝から枝を移動経路とする樹上性の動物たちは、他の遺伝子をもつ種と交われなくなり、徐々に劣化して、しまいには絶滅する可能性もあります。
孤立する森林を繋げることは、命を繋げることになります。

道路の現状

日本の道路・線路と森林|アニマルパスウェイと野生生物の会

日本の道路の総延長

道路種別 総延長※1 実延長※2
高速自動車国道 9,165.0㎞ 8,358.3km
一般国道 65,795.5㎞ 55,432.2km
都道府県道 142,428.5㎞ 129,374.9km
市町村道 1,055,905.9㎞ 1,023,962.4km
合計 1,273,294.9㎞ 1,217,127.8km
  1. 総延長:道路法の規定に基づき指定又は認定された路線の全延長
  2. 実延長:「総延長」から「重用延長※3」「未供用延長※4」「渡船延長※5」を除いた延長
  3. 重用延長:上級の路線に重複している区間の延長
  4. 未供用延長:路線の認定の告示がなされているが、まだ供用開始の告示がなされていない区間の延長
  5. 渡船延長:海上、河川、湖沼部分で渡船施設があり、道路法の規定に基づき供用開始されている区間の延長

(出典:道路統計年報2014)